祇園の小さな薬屋さん
今日は、大切な友達の家へ行って来ました。彼女の家は祇園の街にある小さな薬局です。
南座から四条通をぶらりぶらり歩いて、八坂神社の赤い鳥居の少し手前を折れた所にあるこのお家は、築100年も経つ京都の町屋。
長い間彼女のお母さんが営んできた薬局には、昔懐かしい”炊事場”があり、昔理科室で見たようなお薬のビンがたくさん並んでいます。
お店の奥にある和室で彼女と話しているとお客さんがやってきます。
その度に出ていく彼女とお客さんの話し声を聞くともなしに聞いていると・・・。
歯磨きを買いに来たおばさん、ドリンクをグイッと飲んでいったおじさん。
愛想の良い彼女とお客さんが話す声は、どこかのんびりしていて暖かい心(それだけで元気になれてしまいそうな)の行き交いを感じます。
あるおばあさんは、彼女にお水を入れてもらい、お薬を一包服用して帰られました。
お薬を一包だけ買えるなんて知らなかった私。昔は、自分のために調剤してもらったお薬を、こんな風に薬局で飲んで帰る人がよくいたのだそうです。
薬は”ドラッグストア”で会話もないまま購入してしまうことが多いのが近頃の私たちです。大きな病院で長い間待った後、ほとんど会話もないままあっという間に診察が終わり、また長い時間待ってもらう大量の薬。
小さな薬局で暖かい会話と共に服用して帰る一包の薬。
・・・あのおばあさんは、風情ある祇園の街でさりげない日常を積み重ね、ちょっとしんどいときはこの薬局で一包のお薬を服用して、また元気に時を紡いでこられたのでしょう。
彼女の家へ行った帰り道、心の中で繰り返します。
”おかあさん、がんばって薬局続けてください。
あのままのお店、続けてください!”
”レトロ大好き。古いって素敵!” (02.02.04.Mon)
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