こんな年越しも・・・

 2002年、大晦日。
午年最後のピアノ演奏も無事終わった。
おせちをお重に詰め、紅白歌合戦を見て・・・

いつものように聞こえてきた”ゴーン”という音。
大晦日の夜小さな静かな街に響く除夜の鐘。
いつもなら、”あ、聞こえてる・・・”
そう思うだけだった鐘の音。

”撞きに言ってみようか”
その言葉の数分後には、真っ暗な参道を上り、鐘を撞こうとする人の列に並んでいた。
地元の人だけで適度に賑わう尼寺は、甘酒が振る舞われ、冷たい冬空の下暖かい空気が流れていた。

少し照れながら、生まれて初めてゴーンと鐘を撞いて、合掌した。

あの場所から京都の夜景があんなに美しく見えること、初めて知った。

素敵な年越しだと思った。
そして、気がついた。
今までの年越しにこんな余裕がなかったことに。
思いつきで鐘を撞きに行くことなど決してなかったことに。

しなければならないことに縛られていた大晦日。
段取りの決められていた元旦。

過ぎてきた日々を思った。
遠くで光る夜景が胸に染みた。        
(2003/01/19 SUN)


             ko by yayako


ResComment

Rose
京都で除夜の鐘を撞いて、お年越し。いいですね。
私も今年初めて夫と娘と3人だけの大晦日・元旦を迎えました。結婚以来の夢でした・・・
お正月は大勢で賑やかにという方もいらっしゃるでしょう。でも、私は一度でいいから3人だけでお正月を迎えたいとずっと思っていたのです。ゆっくり、穏やかな気持ちでと。
だから、ゆみこさんのお気持ちすごく良くわかります。 (2003/01/20 Mon)


yayako
ゆみこさんの気持ちもRoseさんの気持ちもわかります。
私の小さい頃、大家族の嫁だった母は年末年始は何かに追いまくられるように忙しかったものでした。
お正月だって、家族や親戚や父の同僚は楽しいでしょうが、母はキリキリ舞い。
子供心に、遊んでもらえない淋しさと「嫁」にはなりたくない、という気持ちをずっと持ってました。

おかげさまで、今は核家族を満喫しております。
誰が何と言おうと、一度きりの人生なんだから好きなように生きてみたいものですね。 (2003/01/21 Tue)

takoyo
夢見荘経由で来ました。2002年の大晦日には
長男が連れてきた海音(かの)100日目で、お食い初めをしました。 (2003/01/22 Wed)

ゆみこ
Roseさん、yayakoさん、takoyoさん、レスコメントありがとうございます。
人として大切にしたいと思うこと・・・自分の満足が、誰かの我慢の上に成り立っているのではないかということを、ちょっと振り返ってみること・・・少しだけ優しくなれたら、みんなが幸せに過ごせるのではないでしょうか?(*^_^*)

海音ちゃん、お食い初めおめでとうございます。お健やかなご成長をお祈りしています♪ (2003/01/23 Thu)


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